熟す

軒端に吊るされた柿をご覧になったことがありますよね?
どうして渋柿が、あのように熟すのかと思ったものです。


渋柿は、冬の寒天にさらされ、霜に打たれることで美味に染まるのです。
柿は、霜に打たれれば確実に旨味を増しますが、人間は辛苦に耐えれば風味を増すことが
できるでしょうか?


人には、辛苦を味わうことで人の痛みが分かり、思いやりに溢れた滋味(豊かで深い精神的な味わい)を身に付ける人がいます。
しかし、その一方で辛苦の経験が偏狭さ(自分だけの狭い考えにとらわれること。度量の小さいこと)となり、悪どく、したたかになる人もいる。


辛苦そのものも重いものですが、大事なのは”耐える”ということにあり、
”耐える”という、その一語の重さにある。


「霜に打たれた柿の味、辛苦に耐えた人の味。」
辛苦を、人間味に変えるような人生をこそ、生きたいものですね。


★p.s★ samさま。
先日は、コメントをありがとうございました。
胸に秘める思い・涙の理由が、きっといつか穏やかなものになるといいですね。
それは自分の、あるいはそっと誰かに微笑むような花に・・・