そこから離れられない

「スケールの大きな問題に直面した場合に、思考が停止する」
ということがあります。


将来に重大な問題が予想されても、当面今のままで続きそうなら、人はそれまでの
仕事や生活のパターンを続けてしまうのです。
心配は心配でさておき、一方で普段の生活(仕事)を続けてしまったりするものです。


これを、“日常性への執着”と呼ぶのですが、
「長い年月にわたって積み重ねてきたこと、投下してきた多大な出費と努力が
無に帰してしまうことは避けたい」と考える。
だから、それまでのコースを転換できないのです。


「過去の時点で行った投資のコスト」と「日常性」に執着すると
大きな変化に直面した人間の判断を誤らせる。


将来に与える影響を憂慮する(心配する。思いわずらう)ならば、
その懸念に対して、何か対策を講じておかないと
予想できたことが目の前に迫ってからでは手遅れです。


そして、これに限らず身近な事でも同じです。
まだ時間がある、もう少し後でと考えるうち、とうとうそれに直面することになったり
差し迫ってからでは対策も疎かになりがちです。
また、その間にパプニングが起こる事だってありえます。


一つのことに心をとらわれて、そこから離れられないという執着。
これに、こころを奪われてしまわないように・・・。