大器晩成。

みなさんも、よくご存知のこの言葉、
『大きな器が早く出来上がらないように、大人物は世に出るまでに時間がかかる』
ということです。


そもそも、人は大自然が何億年もかかって、やっと作ったものです。
高等動物の中で、一番後で生み出された。
そういう意味で、人は自然が晩成した大器なのです。


殊に、職人の世界やスポーツ、武道、道という世界(茶道や花道など)では、
師は簡単に全てを教えません。
習う方は、繰り返し繰り返し一つことをやらされます。
それが、自分の目指すところと関係がないように思えることもあります。
型や技が冴えるには、精神が伴っていなければならないということでしょう。


この、精神というものは、稽古や訓練、鍛錬を積み重ねること、
礼儀や呼吸(間合い)などを身に付けることで備わります。
だから、自然の法則は人間についても同じく、なるべく晩成がよいのです。


仕事でも、表面だけをマスターして早成した、早くモノになったと言うのなら、
これほど危ないことはありません。
本物とは言いません。


時間がかかるものだと思って、毎日に励むのがよいでしょう。