愛は雨のように降る

旅先で読んだ本のココロに響いた一節です。


愛は雨のように降る


愛はどうして公正さよりも人気があり、重んじられるのだろうか。

どうして愛についてだけ人は多くを語り、ひっきりなしに愛を賛美してやまないのだろうか。

公正さの方が、愛よりも知性的なものではないだろうか。

愛は、公正さよりもずっと愚かなものではないだろうか。

実は、愛がそんな愚かなものだからこそ、すべての人にとって心地がいいのだ。

愛は、尽きぬ花束を持っていて、愚かなほどに惜しみなく愛を与えてやまない。

相手が誰であろうとも、愛に値しない者であろうとも、不公正な人間であろうとも、愛を贈られても絶対に感謝などしない者であろうとも。

雨は、善人の上にも悪人の上にも分けへだてなく降るが、

愛もそんな雨と同じで相手を選ばずに与え、びしょびしょに濡らしてしまうのだ。

超訳:「ニーチェの言葉」より