知か情か

安岡正篤「一日一言」より


人間には、頭と胸と腹がある。

よく昔の人は、「あれは腹ができておる」と言った。

ところが若い人はよく「胸が熱くなる」とか「胸が痛くなる」と言う。


ところが、現代に近づくほど、あまり腹とか胸とか言わなくなって、

頭、あたまと言うようになった。


これは時代の変遷をよく表している。

頭(=知)と胸・腹(=情意)のどちらが人間の本質であるか?


どちらが根幹で、どちらが枝葉であるかといえば、

これは言うまでもなく情意が根幹・本質である。